リンボー物件



 さるお宅の脇に並ぶ,金属の棒であります。ブロック塀の基礎となる棒であろうと思われるわけですけれども,そのブロック塀は立てられず,むき出しのままになったようなんでした。まぁ,それ自体はよくあることであります。

 しかしこの物件の場合特徴的なのは,棒の先端にかぶせられた木片でありますね。木片というには端正であって,角材と言った方がいいようでありますが。
 用途的には,危険防止用ということで有用な木片なだと思われるわけですけれども,それがずらりと几帳面に並ぶと,なんだかユーモラスな感じをかもし出してくるわけでした。

 さらに,ただ几帳面なだけではなく,手前に来るにしたがって傾いてくるというあたりが妙に面白いんでした。金属棒がリンボーダンスをしているかのようであります。リンボーというよりはキンゾクボーダンスでありましょうか。くだらなくて申し訳ない。

 手前に来るにしたがって傾いてくる様子は,以前スポーツ中継なんかで流行ったストロボカメラのようでもありますね。全国のリンボーダンス愛好者のみなさんは,この写真を見てフォームをチェックしてみるとよろしいかもしれないんでした。
 してみると,これはリンボーというよりストロボーダンスでありましょうか。くだらなくて申し訳ない。


 こちらは,マンションというか社宅というか寮というかそんな感じの集合住宅敷地にある,おそらくは松の木であります。

 何にそんなに驚いたのか,みんなで「どひぇーっ!」とでも言って今にも倒れそうになっているんでした。手前の電柱クンはクールに「いや,ま,それほどのことでもないですけどね」と動じてないようでありますが。んー。ノリの悪いやつであるなぁ。

 ということでは多分ないと思いますけれども,松の木が同一方向にそろって相当に傾いているのは確かであります。

 防風林や防砂林なんかではよく見られるものでありますけれども,ここはそんなに風が強いのかどうか。海岸に近いことは近いのだけれども,住宅地の中だし。それとも,酔狂な人が防風林の松をここに植え替えたりしたのか。あるいは,苗木からこの形に,盆栽のように育てたのか。

 成因はわかりませんけれども,何はともあれ形としてはやはりリンボーダンスでありますね。防風林のリンボーダンス。防風リンボーダンス。くだらなくて申し訳ない。

 しかしまぁ,何やら楽しそうであります。電柱クンもちょっと仲間に入りたそう…でもないか。

「キンゾクボー」は新潟市西区・小針6あたり。
「防風リンボー」は新潟市中央区・文京町あたり。