蔵出し物件4


 さて。蔵出し物件であります。このページで通常の物件となる写真は実際に撮った写真のごく一部であって,ほとんどがいわゆるボツになるわけでありますね。まぁボツというか,タイミングの悪かった写真が多数あるわけです。そういう写真をリサイクルしようという,まぁ小ネタと同じようなものだけどもさらにちょっと古い写真を引きずり出そうという企画(というほどのもんでもない)であります。

 という蔵出し物件のその4。ちょっと間隔が短くなっていますけれども,小ネタや蔵出しが増えるときはちょっと切ないのだなぁと思って温かい眼で見てあげましょう。
 まぁそれはそれとして,今回は07年2月頃のデジカメ写真であります。やはりほぼ一年前。もっと前のような感じがするなぁ。



 マンションの駐輪場と思われるスペースに貼られたハリガミであります。
「自転車盗難・破損多し
 1必ず施錠する。
 2職員が見回り監視する。
 3警察署員が巡回監視する。」
とのことなんでした。

 まぁハリガミの言わんとすることはだいたいわかるわけですけれども,誰に対して貼られたものなのかがちょっとわかりにくいんでした。

 駐輪場利用者に対して「きちんと施錠しましょう。まぁ,職員や警察署員が見回るから安心なんですけどね」と言っているのか。
 盗難破損の加害者に対して「ここの住民は施錠してるし職員や警察署員が見回るからヘンなことしようとしてもムダだぞ。悪いこと言わんから立ち去りなさい」と,牽制しているのか。

 しかし最初の「必ず施錠する」はやはり「必ず施錠しなさい」という住民への指示注意あるいは要望だと思われるので,他のふたつもそれぞれ職員・警察署員への指示注意要望なのかもしれないでありますね。
「警察署員が巡回監視する」は「警察署員が巡回監視するようにしなさい」ということであって,そういう命令を出せるこのマンションのオーナーは,警察を牛耳っている大人物なのかもしれないんでした。

 新潟市中央区。




 設置場所の関係で,歩行者の進行方向によっては裏側しか見えない自販機。そこで「自販機あります」と背面に書いてあるという,ただそれだけのものであります。

 まぁ確かに,存在が気づかれないというのは悲しいものではあります。これが自販機という機械ではなく,影の薄そうな少年が「僕はここにいます」という札を首から下げて路傍にたたずんでいたら,それはちょっと切ない情景なんでした。

 あるいは「自販機あります」というのは「自販機を売っています」ということなんでありましょうか。自販機を販売する自販機。その自販機は,また違う自販機を販売するのかもしれない。その自販機がまた別の自販機を販売していて…。

 構造上,自分より大きな機械は販売できないので,自販機はどんどん小さくなっていくわけでありますね。最後には米粒大の自販機になるかもしれないんでした。コインが入らないかもしれないですけれども。

 新潟市中央区。




 こちらは,メタボな電柱でありますね。いやまぁメタボなのかどうかは知りませんけれども,だいぶ太くなっております。

 この電柱は,よほど車にこすられるんでありましょうか。
 上部に少しだけ,例の黄色と黒のシマシマが見えていますけれども,もうそんな注意をうながすだけじゃダメだと,当たることを前提として,衝撃を緩和する方法をとらないといけないと,そういうことになったようであります。

 この感じだと,電柱を守るというよりは車をできるだけ傷つけないようにという配慮のように見えるでありますね。しかしその分太くなってこすってしまう確率は上がるわけで,車にとってどちらがいいのかは微妙なところであります。

 あるいは,雑草が踏まれて強くなるように,人間がたたかれて大きくなるように,電柱というのはこすられると太く大きく成長するものなんでありましょうか。こすられて大きくなるというと何だかちょっとどうなのかという感じもしますが。

 新潟市中央区。




 小学校そばにある文房具店。その入口近くに貼られた,おねがいハリガミであります。
 学校そばの文房具店というのは,なんかや(一般に駄菓子屋をあらわす新潟ことば)と並んで,子どもにとって特別な意味のある空間でありますね。なんかやとはまた別の雰囲気と意味合いを持つお店ではありますけれども。

 このハリガミを見ていると,その「学校そばの文房具店」と悪ガキとの攻防が目に浮かんでくるようなんでした。
 ここは私の余分な妄想ははさまず,じっくりと鑑賞していただきたいものであります。

 新潟市中央区。