期限物件01


 多くの物件写真を撮ってると,どうしても後回しになってしまう写真が存在するわけでした。そういった写真はまとめて「小ネタ物件」になったりするわけですけれども,あまり寝かしておくわけにもいかない写真もあったりするわけでした。

 それは「日付が入っている」あるいは「季節ものである」あるいは「時事モノである」写真なんでした。そういうのはもういつ頃の写真かがわかってしまうので,賞味期限ギリギリのうちに出しておこうと思ったりするわけでした。まぁ,基本は「小ネタ」でありますが,とりあえず「期限物件」であります。

 んー。シリーズにしてしまうのか?これ。



 新潟市では今年(平成20年)からゴミの出し方が大きく変わったんでした。変化直後はどうしても間違いがあるもので,これまでの物件にもいくつか関連のハリガミが出てきていますけれども,こちらもそのひとつであります。

 まぁとにかく雄弁でありますね。雄弁というか,言いたいことが山のようにあるけれどもまだ言い足りてないという感じであります。
 とくに最後のほうなんかはギチギチでありますね。

「よし。びん・缶のことは書いたし,燃やさないゴミについてもかなり詳しく書いたぞ。あとは…そうそう,古紙のことも書いて…と。『第一火曜』は赤字の方がよかったかな。赤丸つけとけばいいか。…こんなもんかな。…あっ。しまった。ペットボトルがあった。ラベルをちゃんと剥がさない人がいるからな。んー,書くとこないな。…最後が『剥がして』で終わっちゃったけどわかってくれるよな。でも最後『下さい』って書かないと高飛車かな。でも書くとこホントにないしな。んー,しょうがない。ここに『で・き・る・だ・け』…と。よっしゃ,入った」

 なんて感じで書いている姿が目に浮かぶようであります。その一生懸命さには頭が下がる思いでありますね。ゴミはきちんと分別しなければならないと,あらためて思ってしまうわけであります。

 よく見るとこのハリガミの後ろにはもう一枚ハリガミがあったようで,重ねて貼られているんでした。後ろはこのちょっと前に貼られたものなんでありましょうか。書きたいことはまだまだたくさんあるんでありますね。

 この写真からだいぶ経って(9月下旬),今ごろはだいぶゴミ出しルールも浸透していると思われ,ハリガミの出番もなくなってるかもしれないでありますね。作者の人はハリガミが書けなくてイライラしてたりはしないんでありましょうか。

 新潟市中央区。




 こちらは,踏切全面通行止のお知らせであります。
 いやまぁ,ヘンなことが書かれているわけでもないし必要な情報は盛り込まれているし誤字脱字があるわけでもないし,内容的には申し分ないような気がするわけでした。

 でもなんだか,「ホントに工事やるのか?」と思ってしまうんでありますね。それはやはり,この字がなんとも素朴というか自由であるというかなんというか,まぁ…ヘタであるからだと思われるんでした。
 手書きでこういう大きなカンバンに字を書くというのは,素人には難しいとは思いますけれども。私に書けと言われてもまともには書けないかもしれませんけれども。でももうちょっとなんとか,と思ってしまうんでした。

 ハリガミなんかでは手書きのものは多くみられますけれども,こういった工事関係のカンバンが手書きだと,なんだか不安になるんでありますね。不思議なものであります。
 いや実際は「素人風手書きふぞろいフォント」というのを使った印刷なのかもしれませんが。

 新潟市江南区。




 こちらはやはり新しいゴミ出し方法に関するものであります。
 植物の枝や葉に関してはそれを出す日が別に定められているけれども,枝豆に関してはそれに該当しないので燃えるゴミで出して下さい,ということらしいんでした。
 これが新潟市全域でそうなのかこの辺のローカルルールなのかはわかりませんけれども。

 まぁ,おかしなところは全くないハリガミであります。ただ単に「夏だなぁ」と思って写真に収めていたわけでした。夏が終われば,このハリガミもはずされると思われるでありますね。

 最近は枝豆も全部枝からとってパックして売られているのがほとんどでありますけれども,私が子どもの頃は枝豆を枝からむしるのが夏休みの子どもの仕事だったんでした。枝豆大好きである新潟だけかもしれませんが。
 まぁそういった風景も最近は見ないと思っていましたけれども,やはりやってるところはやってるんでありますね。いや子どもがやってるのかどうかはわかりませんけれども。

 それにしても,ゴミに出すものによって季節を感じられるというのはなかなか面白いものであります。秋には何が捨てられるんでありましょうか。

 新潟市西区。