洗い物件
小学校の跡地に建てられた,多機能多目的な公民館的施設。その駐輪場近くに掲げられたカンバンであります。
色々な人が利用する場所であって,盲導犬を連れた方も来られたりするようなんでした。そういった備えも万全な,立派な施設なんでありますね。私はまだ利用したことないんですが。
このカンバンも,きっちりとデザインされた有用なものなんだろうと思われるわけですけれども,ちょっと色々と余計なことを考えてしまうというのが路上観察者の悪癖であるんでした。
やはりここでどうにも気になるのは「手洗所」でありますね。
一般的な生活上で「手洗所」と表示されていればそれはトイレを意味するわけですけれども,ではこの「盲導犬手洗所」というのは盲導犬様専用のトイレであって,その辺の単なる愛玩ペット犬ごときが使ってはいけない職業別トイレであるのか。職業に貴賎は無いはずなのに。
ということなのかというと,そういうことでもないような気がするんでした。
してみると、ここで言う「手洗」とはトイレのことではなく,本来の意味としての「手を洗う」ということだと思われるですね。盲導犬が館内に入る場合はここで泥や土を洗い落としましょう,ということであろうと思われるんでした。
しかし,そこでまた「手でいいのか?」と思ってしまうわけでありますね。
「犬の手」というのはどれであるのか。前足のことであるなら,後足は洗わなくていいのか。前足後足すべてを「手」と言うなら,犬には足はないのか。それとも,実は犬には4本の足の他に秘密の「手」があって,それだけを特別に洗う必要があるのか。
まぁ,実際には「足についた汚れを洗い落とす」ということであると思われるわけですけれども,もしこれを「盲導犬足洗い所」と書いてしまうとどうなるか。
それは即ち,ここで盲導犬が足を洗ってしまう,つまりは「盲導犬の引退式」を行なう場所がここである,ということになってしまったりするような気がしてしまうわけでした。
その辺が,「手洗い」としても「足を洗う」としても本来とは違う意味を持ってしまっている,日本語のオモシロいところではあるですね。
いや実はこの「手洗所」はホントにトイレのことなのかもしれないですけれども。絵を見ても,水で犬のお尻を洗っているようにも見えるし。盲導犬ともなるとウォシュレット愛好者になるのかどうかわかりませんが。
ただ,実際にこの場所に入ってみると,私の観察眼が足りないのか,蛇口が見つからないんでした。水はバケツか何かで汲んでくるのか。あるいはやはりウォシュレットのように,普段は隠れている蛇口が地下からせり上がってきたりするのか。
あと,このカンバンは犬自身が見て「お。ここで手を洗っていこうだワン」と思うものなんでありましょうか。盲導犬を連れてくる人というのは,このカンバンを見ることはできないような気がするし。
まぁそういったあたりは,私が福祉について疎いというだけのことであって,関係者各位にとっては何の問題もない常識的なことなのかもしれませんが。
オマケ。こちらは,屋外にある水道であります。
こういった水道には下の方に簡単な洗い場みたいなものを置いているところも多いですけれども,ここでは何というか,台所にある流し台の上の方を持ってきているようなんでした。
確かに便利なような気もしますけれども,これをわざわざ持ってくるというのは,合理的なのかその逆なのか。そしてこれはどこから持ってきたのか,さらにこの下の部分はどうなったのか。また色々なことを考えてしまうわけなんでした。
まぁ,単に見た目がちょっと面白かったというだけなんですけれども。
「手洗所」は新潟市中央区・礎町通3ノ町あたり。
「流し場」は新潟市西区・内野町あたり。