呼びかけ物件
呼びかけ物件
さる小学校の校庭フェンス脇に立てられたカンバンであります。おそらくは「変質者や不審者に襲われない様注意しましょう」という意味合いのものであろうと考えられるわけですけれども,やはりどうしても気になってしまうのが「!」なんでした。この文のこの位置に「!」は必要なのかどうか。
意図としては,注意喚起のために「!」をどこかに配置したかったんでしょうけれども,「変質者・不審者に注意!」ではいけなかったのか。
確かに最後に「!」があるとちょっと間延びしたようなというか少し余裕のあるような感じがするわけで,いきなり「変質者!」と叫ばれた方が緊急度は上がるような気はするわけですけれども。
してみると,これはランク付けがされているということなんでありましょうか。
「変質者」の方が緊急度が上であって,見かけたら間髪いれずにすぐに逃げなければならないのだけれども,「不審者」の場合はまぁすぐには逃げないでいいから注意して様子を見てみましょう,ということなのか。
あるいは,これは変質者に対しての呼びかけなんでありましょうか。「変質者のみなさん! 不審者に注意しましょう」という呼びかけ。やはり相手が変質者なので,ちょっとぞんざいに呼び捨てにしているようですけれども。
そういう見方をした場合,今度はランク付けとしては不審者の方が怖い存在になるんでありますね。なにせ,変質者すらも注意しなければならない存在として,不審者がいるわけですから。
確かに「変質者」というのは「変態的行為をする人間」という,まぁある意味何をするかがわかっている相手でありますけれども,「不審者」というのは何をしてくるかわからないということであって,より不気味な存在であると言えるんでした。
と,人ごとのように言っていますけれども,実は路上観察者というのは地域住民にとってはまさしく不審者であるわけでした。
あたりをキョロキョロ見回しながらフラフラダラダラと街を徘徊し,立ち止まったかと思うとあらぬ方向にカメラを向けてシャッターを押してはニヤリとしているというのは,客観的にみれば不審者そのものであります。犬にもよく吠えられるし。
今まで気づきませんでしたけれども,変質者のみなさんは私を見かけると電柱のうしろにでも隠れてガタガタと震えていたりしたんでありましょうか。それは彼らに悪いことをしていたかもしれない。
変質者のみなさん。路上観察者は不審者かもしれないけど怖くないので,隠れないで出てきても大丈夫ですよー。
いや,出てこられても困りますが。
「変質者!」は新潟市・大形本町2あたり。