兄弟物件

兄弟物件



 今年,平成19年の夏はどうも暑かったようで,最高気温の記録が七十何年かぶりで更新されたり今年から使われるようになった「猛暑日:最高気温35度以上」が延々と続いたりでタイヘンだったようなんでした。

 でもまぁ,新潟の場合は例年と比べてもそれほど極端に暑くはなかったような気がするわけですが。
 確かに猛暑日も何日か続いたし暑い日も多かったのだけれども,夏が短かったような気がするんでした。梅雨は8月に入るまで続いてたようだし,これを書いている8月末にはもう秋雨前線が活発だし。

 とはいえ,全国的に見ればやはり暑かったわけでした。気象庁の長期予報は当初「今年の夏は暑い」だったんだけれども梅雨が長引いたのを受けて「やっぱり平年並み」と修正したのにフタをあけてみたらクソ暑かったわけで,修正しなければカッコよかったのになぁ,と思ったりもするんでした。よけいなお世話でしょうけれども。

 このサイトは基本的に時事ネタは入れない方針なんだけれども,ときどき入れてしまう。でもそれを何年か後に読むと懐かしく思えて意外と面白かったりするのでたまに入れるのもよいなと思ったりしてしまうな。

 そんなわけで,ようやく本題であります。いや本題なんてあってないようなもんですが。そして前置きが長いときはネタがもひとつだったりする場合もありますが。それはともかく。

 上の写真。ちょっと見えづらいですけれども,蛇口であります。なぜそこにあるのかよくわからないけれども,屋外にふたつ並んだ背の高い蛇口。それがもう,ほとんど倒れかけているんでした。特に奥の方はもう倒れこんでおります。手前の方はまだかろうじて立っておりますが,今にも倒れそう。水道兄弟の最期でありましょうか。

「兄さん,もうすぐ暑さも峠を越えるよ。もうちょっと,もうちょっとだから元気出して」
「へへ…。情けねえよなぁ。暑さをやわらげる役目の俺たちが,暑さにやられるなんてなぁ…。水を枯らしちまうなんてなぁ…」
「そんなことないよ。僕たちは一生懸命やったじゃないか。兄さんは立派だったよ。ホントに…。ホン…ト…に…。うぅっ。」
「ばかやろぉ…。もったいねえだろぉ…。涙にする水があったら,他に…つか…え…よ…」
「兄さんっ。兄さぁぁぁんさぁぁぁんさぁぁぁん…

というような情景を思い浮かべてしまうでありますね。しまわないですか。そうですか。


 こちらもやはり暑さでまいってしまっているようなんでした。上のほうはもう意識を失ってる感じだし,下のほうも今にも倒れそうであります。大丈夫か,上の人。人じゃないか。

 最初の物件の水道兄弟は割と年の近い兄弟のようでありますけれども,こちらは幼い弟を年の離れた兄が肩車しているという感じなんでした。むしろ親子と言った方がいいのか。

 しかし世の中には,小柄な兄を巨体の弟がぶん投げてホームランボールをキャッチしたりするアストロ球団の球七・球八兄弟がいたり(いないか?),車である弟がミサイルである兄を乗せて突っ走る宇宙鉄人キョーダインがいたりするので(さらにいないか?),体の大小や位置の上下で判断してはいけないかもしれないんでした。
※世代・性別によってわけのわからない例えになってしまっていることをお詫びします。

 そう考えてみると,この物件の兄弟も一見すると上の方が楽をしているように見えますけれども,炎天下で上になることによって下の陽射しをさえぎってあげているようでもあり,命をかけて弟を守ってやった立派な兄のようにも見えるんでした。


 こちらはもう,仲が良すぎて一心同体になってしまったかのような水道兄弟であります。仲が良すぎてというか…まぁちょっとアブない展開になりそうなんで自粛。それはそれとして。

 まぁ特注品でもあるまいし,こういう蛇口製品があるわけだから別にそんな珍しいものでもないのだろうけれども,やはりちょっと「おー。こんなんあるのか」と思ってしまうんでした。

 だいたいがこの蛇口,どれをひねるとどこから水が出てくるのか。蛇口の構造というのを知っていればわかるんだろうけれども,初心者にとっては「?」であります。
「これだな」と思ってひねると予期していないところから水が噴き出して「うひゃあ」ということになりそうなんでした。

 まるで「どっちがどっちかわかる?」といって大人をからかう,ふたごのイタズラ兄弟のようでありますね。もう一組ハンドルと蛇口があって3人組ならば,トン吉チン平カン太と名づけてあげたいところであります。

「倒れ兄弟」は新潟市西蒲区・鱸あたり。
「肩車兄弟」は新潟市西蒲区・曽根あたり。
「イタズラ兄弟」は新潟市東区・中山7あたり。