小ネタ物件61

小ネタ物件61


 さて,小ネタコーナーであります。物件としてはちょっとどうかな? と思うんだけれども,なんだか憎めないようなヤツらを集めてお送りします。本物件とどこが違うんだと思われるかもしれませんが,その辺は「なんとなく」なんでした。

 今回の小ネタは全部犬絡みだからタイトルを「犬の物件」あたりにして独立させればよかったか?
 まぁどうでもいいのだけども。



 街を歩いていていきなり「犬の糞のお願いします」と言われた場合,いったいどうすればよろしいんでありましょうか。ちょっと対処に困ってしまうわけでした。

 そもそも「犬の糞のお願い」というのはなんであるのか。「乙女の祈り」とか「チャングムの誓い」とかそういうのと同列のものなのか。
「犬の糞」が私に対して願い事を言ってくるんでありましょうか。犬の糞の願い事というのはどういうものであるのか,ちょっと聞いてみたい気もするわけですが。

 ということではもちろんなくて,これはやはり大事な部分を赤で書いたことによってそこだけ色が褪せてしまった,褪色系のカンバンであろうと思われるんでした。

 おそらくは「犬の糞の後始末」とかそういうことをお願いされているんであろうと思われるわけですけれども,そう思い込んで「よし。まかせとけ」とか言ってしまうと「犬の糞の試食」をお願いされてしまうかもしれないので,注意の必要があるんでした。ないか。

 新潟市。




 さる小学校脇の歩道に設置されている花壇に掲げられたカンバンであります。「おはながかわいそう!! かだんにワンちゃんをいれないで!!!」という一文とともに,達者な絵が描かれているんでした。

 この犬の場合は人語を解しそうなんで,入れてあげてもいいような気もしますけれどもそういうもんでもないのか。彼の解するのは英語だけか。

 おおかたの日本人にとって,英語しかしゃべれない犬というのはその辺の犬となんら変わりのないものなのかもしれないでありますね。
 耳を傾けてみると,あなたの飼い犬はスワヒリ語なんかを一生懸命しゃべっていたりするかもしれないんでした。しれなくないか。

 あるいは,この花壇にはスゴイ臭いのする植物が植えられていて,ヘタに犬を入れると犬の鼻が曲がってしまうのかもしれないでありますね。「お花がかわいそう」なんではなくて「お鼻がかわいそう」なのかもしれないわけでした。

 新潟市。




「犬の放し飼い禁止」というのは公園なんかの入り口によく見られるカンバンでありますけれども,放し飼いというのは自宅で犬をつながずに飼うことをいうんではないかと思ったりするわけで,公園のやつは単に「犬の解放」ではあるまいかと思うんでした。それもヘンか。まぁそれはともかく。

 その隣の「自転車進入禁止」。「進入」の部分は後から貼られたものなんでした。ではその前には何と書かれていたかというと,「乗入れ」と書かれているのが透けて見えるんでした。

「乗入れ」を「進入」に直したというのには,深い意味があるんでありましょうか。自転車に乗らず,押して入って来た人が悪さをしたので、それを禁じたということか。
 あるいは,自転車そのものが運転者を乗せることなく,自らの意思を持って入ってくるのを禁じているのか。そういう事例がちょっと前にあったんでありましょうか。それは見てみたかったものであります。

 新潟市。




 こちらの公園では「大の放し飼い」を禁じているわけでした。

「大」というのは,水洗便所のレバーに「小」とともに書かれているあの「大」のことでありましょうか。放し飼いというのができるんでありましょうか。器用な人がいるもんであります。アラレちゃん並みであります。

 まぁ確かに放し飼いにされている「大」が飛び掛ってきたらそれは恐怖であります。では放し飼いがダメなら鎖をつけて引っ張るのならいいのかという話になりそうですけれども,それもちょっと見たくない光景でありますね。

 飼い主がおたがいの「大」を見て「あら〜。おたくの『大』,色もツヤも良くてカワイイですわね〜」「いえいえ,おたくの『大』も大きくて立派でうらやましいですよ〜」とか言って誉めあっていたりお互いの「大」をなでたりしているというのは,マニア以外にはちょっと近寄れないところであります。これはまぁ「犬」の場合でも同じような気がしますが。

 このカンバン,もう少し時間が経つと「人の放し飼い」を禁じるような気もするんでした。それもちょっと悲しい放し飼いであります。

 新潟市。