事故物件

事故物件



 さる小学校の外壁に貼られている標語カンバンでありますが,ちょっと妄想がひろがってしまいそうな標語を3年生が作っていたわけなんでした。

「もういいか がまんできずに じこにあう」

 これはやはり,自らの経験をふまえているものなんでありましょうか。3年生ながら様々な経験を積んでいそうであります。
 おそらくは以下のようなやりとりがあったんではないかと想像されるんでした。

ギシ。ギシ。パンパンパン。
「もう,もういい?」
「まだ,まだよ。先にいっちゃダメよ。もう少し,もう少しで一緒に…」
「でも,もう…もう…出ちゃうよ」
「もうちょっと,もうちょっとだからガマンしてぇっ」
「でもぉ…っ…」

 そこはやはりまだ若いゆえにガマンできなかったんでありますね。結果,計算では安全だと思っていたにも関わらず事故にあってしまったわけでした。

 そういった経験をもとに,

・ガマンできる体力精神力を身につけましょう。
・安全だと思っても計算通りにいかないことも多いので気をつけましょう。
・万一の場合にそなえて,やはり装備をしっかりしておきましょう。

 といった教訓を伝えるこの標語を作成したのであろうと思われるんでした。

 ちなみに,上記のやりとりは
「これからデパートへ出かける予定の母子。少し古い椅子に座っていつまでも化粧をしている母親。バスがもう出てしまう時間なので気をもんで自分だけでも先に家を出たい小学3年生」
を想定して書いてみたわけですけれども,うまく伝わったでありましょうか。


 こちらは事故とは関係ありませんけれども,建物の壁面に「子どもを救うために喜捨をお願い」する大きなカンバンが掲げられているんでした。

 そしてそのとなりには小さなカンバンもあって,見えにくいですけれども「休憩3時間2500円」だったり「宿泊4500円」だったりするわけでした。

 つまりは,ここは「子どものために活動する団体」と「3時間休憩が出来る施設」が同居あるいは隣接している建物であるようなんでした。

 まぁ,3時間の休憩がどのように使われるのかは施設の利用者によると思われますけれども,それを「子どものために活動する団体」がどのように思っているのかが気にかかるでありますね。

「子どもの数を増やしたい」というのが団体の理念である場合,急進的な団体員は施設内の各部屋に忍び込んで,常備されている「装備」に穴をあけてまわったりしないであろうか,と思ってしまったりするわけでした。

 私はこの施設を利用して休憩したことがないのでわかりませんけれども,利用する人は「装備」を確認しておかないと事故にあってしまったりするかもしれないので気をつける必要があるんではないかと思われるんでした。
 事故には十分注意いたしましょう。

※もちろんこれは妄想であり冗談であって,実際の団体及び施設とはカンバン・立地以外は無関係の内容であります。たぶん。

「もういいか」は新潟市中央区・幸西4あたり。
「喜捨と休憩」は新潟市中央区・本町通9あたり。

07年4月1日からの新潟市政令指定都市移行にともなって今後の物件住所もそのようにしようと思ってるのだけれども,どこからどこまでが何区やらよくわからんので間違ってたらごめんしてください。



 …ということを07年4月に書いていたのだけれども,それからおよそ2年ばかり経った09年6月にはこんなニュースが。

「長野県などでラブホテルを経営する宗教法人が,関東信越国税局から約14億円の所得隠しを指摘された。カンバンには『喜捨をお願いします』などと書かれており,ホテルの休憩料など収入の一部について,非課税扱いのお布施と偽っていたとみられる。宗教法人は実質的な税率が低く優遇されており,追徴税額は重加算税を含めて約3億円に上るという。」

 んー。「おバカ事件」としてはそれなりにオモシロいような気もするけれども,路上物件としてはこういうタネがあるというのはちょっと興ざめであるなぁ。