止め物件

止め物件


 以前にも同じような物件は紹介しておりますけれども,「禁止」という文字がうまく書かれていないケースというのがよく見かけられるわけでした。

 まぁ,目の端でしかカンバンを見ないという大多数の人にとっては,だいたいの形がわかれば意味は通じるわけで,ことさら正確に書かなければならないということもないんですけれども。

 上の物件でも,これはパッと見ただけだとどこに間違いがあるのかわからなかったりする可能性もありそうであります。路上観察者といえども,通常のカンバンであれば見過ごしてしまうかもしれないんでした。

 しかし,「ネコのエサくれするな」という非常にキャッチーなコピーが人々の目を奪うがゆえに「立入林止」というところまで読んでしまい,「ここ違うじゃん」と思われてしまうわけでした。

 ひょっとするとこのカンバンの本文は「ネコのエサくれするな 私有地」までであって,その下はこの土地の所有者である「たちいりばやし・とめ」さんの署名なのかもしれませんが。


 こちらも同じように「禁」の字が「林止」になってしまっているんでした。フリガナまで振ってあるので,これは署名ではなさそうであります。

 しかし,フリガナ付きでも「林止」ではそう読んでいいものなのかどうか。あるいは途中で気づいたけれども書き直すのが面倒なのでフリガナをつけることにしたのか。

 この「禁」を「林止」と書いてしまうというのは,やはり「止(や)めてほしい止めてほしい」という気持ちが現れてしまうんでありましょうか。確かにその気持ちもわからんでもないような気がするですね。


 こちらは「禁」は書けているわけですけれども,惜しいかな「禁上」なんでした。消えてしまったわけではなく,書きもれてしまったようであります。

 これも,一刻も早くカンバンを書いて禁止しなければならないという気持ちが,一画を忘れさせてしまったんでありましょうか。
 その割に,最後に「入るな 外の車は入るな」と,ちょこちょこ書き足されているようではありますが。

 何か,こういう付け足しをしておかないと揚げ足をとるような人が近所にいるんでありましょうか。その人は,「禁上」についてはツッコミを入れてないんでありましょうか。
 まぁ,私がその辺の近所付き合いのことを気にしてもしょうがないですけれども。

「エサくれ」は新潟市・牡丹山1あたり。
「きんし」は新潟市・本町通5あたり。
「禁上」は津川町・田町あたり。