カナかな物件

カナかな物件


 非常にシンプルであって,必要最小限の文字数で正確に作成者の意図を伝えている,美しいカンバンであります。

 最小限ということであれば「ハトエサダメ」でもいいかもしれないわけですけれども,それではちょっと美しくない。そしてそれだと「鳩江の運命」という新しい昼ドラの宣伝なんではないかと思われる危険性もあるんでした。ないか。

 これが全てひらがなで「はとにえさはだめ」でもある意味別の面白さになりますけれども,メリハリがない。ひらがなとカタカナが逆で「はとニえさハだめ」だとちょっと前衛的というか作為が入ってしまうような感じで,よろしくないでありますね。

 ひらがなやカタカナというのは表音文字でありますけれども,そのどちらで書くかあるいは漢字で書くかによって,読む側の印象というのは微妙にびみょうにビミョーに異なるんでした。
 日本語というのは見る言語なのであるなぁ,と思ってしまうでありますね。


 こちらは最後だけ「ズル」とカタカナになっているんでした。普通に「禁ずる」ではいけなかったのか。ちょっとその意図をはかりかねるところであります。

 いったん「禁ずる」と普通に書いてみたんだけれども,やはりちょっと物足りなかったんでありましょうか。それとも単にちょっとレトロっぽさを狙ってみたんでありましょうか。

 あるいは「絶対に禁」まで書いたところで電話が鳴って,戻ってきたらひらがなで書いてたかカタカナで書いてたか忘れてしまったんでありましょうか。
 はたまた「絶対に禁」まで書いたところで鼻水がたれてきて,それを記念して「ズル」にしたんでありましょうか。しないか。

 てなことを書いてる最中にふと思いついた話。
 …平安時代末期。源氏に攻め込まれた平家はなんとか状況を打開しようと,サッカーで決着をつけるという提案をし,源氏も了承しました。
 試合は両軍無得点のままロスタイム。源氏チームが平家ゴール前まで攻め込みます。熱狂した平家一門は,ベンチの屋根というか庇(ひさし)に登り,声をからして応援します。
 そしてついに源氏チームのシュートが炸裂。しかしキーパーの守備範囲。「ああ,よかった」と安堵する平家一門。
 しかしそのとき焦って横から飛び出した,ひとりの平家側ディフェンダー。彼に当ったボールは軌道が変わり,自陣ゴールに入ってしまったのでした。
 平家一門は落胆し,庇からずり落ちてしまいました。

 オウンゴール平家は庇からズッ。

 …くだらない上に脈絡がなくてすみませんデシタ。


 オマケ。近所のガソリンスタンド屋内のハリガミ。
 私の車のATFはかなり汚れているはずでありますが,このハリガミを見て交換しようと思ったと思われるとイヤなので,ずっと汚れたままであります。

「ハトにエサはダメ」は新潟市・東堀前通8あたり。
「禁ズル」は村松町・乙あたり。
「老イル」はうちの近所。