秘技物件

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 金物の町・三条市を歩いているときに見かけたポスターであります。「削ろう会」というネーミングから,町内レベルの催しなのかと思ったらさにあらず。どうやら19回の開催を誇る全国大会であって,それが三条で行われるらしいんでした。
 はい,アップ。


「削る!ひたすら薄く削る!」…むぅ,すばらしい。何かを生み出すわけでなく,とにかく削ることが目的。削るの大好き。削っていれば幸せ。
 そういう職人さんが全国から集まってきて意地と心意気がケンを競うというのは,削りマニアにとってはこたえられないイベントであろうと思われるんでした。全国にどれくらいいるのかわかりませんけれども。削りマニア。

 やはり全国レベルともなれば「コークスクリュー削り」とか「二段巴削り」とか「地獄削り」とか「超電磁削り」とか「宇宙鉋電子銀河削り」とか「ジャコビニ流星削り」とか「消えるカンナ」とか「ハイジャンプ削り」とか「秘削白鳥の湖」とかスゴイ技が飛び出してきたりするんでありましょうか。技の名前を叫びながら。

 まぁ必殺技はともかく,やはり「削る!ひたすら薄く削る!」というのがよろしいですね。もちろん,その技術というのは実際の大工仕事なんかに活かされて役に立つのだろうけれども,役に立つ立たないよりも「削る」という行為そのものに魅入られてしまった職人たち。のような気がして。

 この職人さんのイラストもなかなかであります。ハチマキなんかではなく毛糸の帽子みたいなやつだったりするあたりも。その部分まで薄くしちゃいましたか,みたいな感じで。削ったわけではないでしょうけれども。

 まぁ何はともあれ,興味のある方はそういう「削り好き」の集まる空間に足を運んでみるのもよろしいかなと,思ったりするわけでした。次回はどこで開催されるやら。

「ひたすら薄く」は三条市・石上1あたり。