親子物件

親子物件


 和風建築と洋風建築が融合している…というにはあまりにも激しくぶつかりあっているようなふたつの建物なのでした。
 この内部というのはどうなっているのやら。建物自体の内部もさる事ながら,中で暮らしている家族の状況も。

 ここはやはり二世帯が同居していて,右側には年取った頑固な職人カタギの親父が,左側にはアメリカ帰りでスーツをピシッと決めた息子が住んでいるのではないかと思いたい。そして,毎日
「てやんでぇ。俺の目の黒いうちはここをビルになんかさせねぇよ。勝手にビルなんかこさえやがって。おめえの名義にしたのが半分だけでよかったよ。」
「父さん。今はそんな時代じゃないんだよ。僕に土地をまかせてくれれば,商売はもっとうまくいくんだよ。」
「うるせぇっ。商売ってのは,商売ってのはそんなもんじゃねぇんだよ!」
てな会話がなされているんではないかと思ったりするのは二流ドラマの見すぎかと思ったりするわけなのでした。
 なお,親父が江戸弁でしゃべっているのは,新潟弁ではさまにならないからだったりするのでした。