逡巡物件
逡巡物件
生きていて,できればお世話になりたくないと思うところのひとつに,歯医者というのがあるわけです。外科で手術,というのもイヤですが,こちらはまだ現実味がない。普通に健康な生活を送っている人であれば,手術というのはそうメッタにするものではないですから。
それに比べて,歯医者というのはちょっと油断すると行かなければならなくなる。意を決して行っても,待合室で聞く「あの音」はホントにイヤになる。想像するだけでもイヤだったりするわけです。
で,歯が痛くなって嫌々ながら,それでも決心して歯医者に行こうとすると,この看板が目に入るんですね。「いくの?」とあらためて聞かれてしまうと,いままでの決心というのも吹き飛んで,「イヤダ〜っ!!」と叫んで駆けだしてしまうかもしれない。相当意志の強い人でも逡巡してしまうのではないかと思うわけです。
この歯医者さんは玄関にも「いくの歯科」と書かれているはずで,お客さんの2割は逃してしまっているのではないかと,余計な心配をしてしまうのでした。