青春物件

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 私は幸いにして誰かにマフラーやセーターを編んでもらったりしたことはないのだけれど,世の中には女性に大変な苦労をさせてマフラーやセーターを編ませている鬼のような男がいたりするわけですね。

 女性がどれだけ苦労をするのかというと,血が滲むほどの苦労をするらしいのでした。そして,その血まみれになった編み物を売っているお店がここらしいのでした。「血の編み物」。女性が青春の全てをかけて編み上げた,聞くだに恐ろしいその編み物は,おそらく真っ赤なのではないかと,想像されるのでした。