ポリシー物件

ポリシー物件


 ちょっと前の「クラクラ物件」で,「車の右側面の文字」についてちょっと触れましたが,その典型的な例があったわけです。自分でもこれほどの物件が実際にあるとは思わなかった。
 そのまま左から読めば「置装過濾環循間時24」ですが,もちろんこれは「24時間循環濾過装置」なんですね。我々としても,「トラックの右側面に書かれている文字は右から読む場合が多い」というのは経験上知ってるんで,自動的に頭で読み方の変換を行います(少しの躊躇はありますが)。
 ただ,この物件で非常に気になるのが,やはり「24」なんですね。右から読もうとすると「42時間」なんだけど,一般的に考えるとその時間はおかしい。どうしても「24時間」が正解なわけです。なんでこうなったのかというと,右側面で右から書く場合でも,数字やアルファベットは左から書くというのが普通らしいんですね。
 そりゃそうでしょうね。英語や電話番号が右から書かれていたら,まず認識できない。認識できなければ車体にでかでかと書く必要ないですから。数字と漢字が1行に混じったために,悲(喜)劇になってしまったのでした。
 それにしても,これを書くとき,依頼者と業者(塗装屋?)の間には議論があったんではないかと思いますね。あるいは,業者は自分のポリシーにのっとって正確に作業を遂行し,トラックを引き渡したときに依頼者は頭を抱えてしまったのかもしれない。それで文句を言ったんだけれども,業者に「何ゆーてなさるあんて。おらったんとこのやり方はむかしっからこーやんだすけ,これでいいあんだがね」とか言われて泣く泣く引き下がったのかもしれない。

 そういえば,中崎タツヤの漫画で,これと同じようなネタがあったなぁ。「西湘FLOWER」とトラックに書くというやつだったけど,事実は漫画より奇なり。