中身物件
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さる本屋さんのコミックコーナーなのだけれども,「きれいな本を買っていただくためにビニールをかぶせました。中を知りたい方は係にお申し出下さい。」ということなのでした。
こんな風にコミックにビニールをかぶせるようになったのは私が小学校高学年くらいに始まったことだったと思うのだけれど,今は新刊書店のコミックコーナーはほとんどビニール付きになってしまって,立ち読みに関しては古本屋の方で盛んになっているようなのでした。
で,気になるのは,中を知りたくて係に申し出る人がどのくらいいるのか,ということなのでした。そして,もしそういう人がいた場合に,係の人はどのような対応をしてくれるのか,ということなのでした。
申し出たらその本の袋を切って見せてくれる,というのでは面白くないんで,この「係の人」というのは,店にあるすべてのコミックのあらすじを暗記しているのだと,思いたいのでした。そして,客が「中を知りたい」と言ってくるのをいつも待っている。客が「ドラゴンボールの24巻の中を知りたいんですけど…」なんて言おうものなら,「そこで悟空とベジータは…」と延々と語りだすのでした。