神明社

神明社
(小針)


 


 小針にある神明社。小針というのは西新潟の拠点のひとつで,私のような東新潟の人間としては,「新興山手住宅地」というようなイメージがあるんですね。で,住宅地の中にある神社なんで,あんまり期待をしないで行ってみたんですが,これがなかなか面白かったのでした。
 まず,こま犬が古かった。古いと言っても明治39年のものなんで,江戸時代からあるようなものとは比べるべくもないですが,最近新しいやつばかりだったんで,90年前のこま犬に出会えて,うれしかったのでした。
 で,阿形の方。いいアングルがとれなくて変な方を向いて写ってますが,この顔がバックリ欠けてしまっている。アップでどうぞ。
 おいたわしや。いつ欠けたんでしょうか。けっこうな年月が経ってるように見えます。

 顔は欠けてたけれども,久しぶりにこま犬のいる神社に出会えたんで満足して,帰ろうと振り向くと,なんと道路をはさんで向こう側にも鳥居が見えたのでした。こま犬も見える。
 神社が道路をはさんでふたつ向かい合ってるなんて,めずらしいなあ,と思ってそちらに向かってみると,こま犬が鳥居の手前にいるし,後ろを向いている。さらに,鳥居の向こうには社のようなものは見えないのでした。
 2秒ほど考えて,やっと納得がいきました。ここも分断神社だったのでした。本当は長い参道があったんだけれども,宅地造成なんかの関係で分断されてしまったんですね。たぶん。下の写真は,本来の入り口から撮ったもの。鳥居がふたつありますが,その間に6m道路があります。

 
 こちらのこま犬は大正5年のもの。上の1対と同じような,お尻をあげた「かまえ型」。新潟市の古いこま犬はこの形が多い。こちらの阿形は玉をくわえてる。でも,この玉,口の右側でくわえてる。口の中で動くように作られてるのか?
 ひょっとしたら上の顔欠けこま犬も,同じように玉をくわえていたのかもしれない。その玉が欲しくて,誰かが壊したのか? そんなこたないか。ラムネのビー玉じゃないんだから。