まず、4人にどんなカードが配られたか考えてみましょう。
T 問2までの考察
・Aの行方について
-1 Wが持っていた場合…問1、問2とも嘘となるのでダメ。
-2 Xの場合…問1は嘘だが、問2は本当。
-3 Yの場合…問1、問2とも本当。
-4 Zの場合…問1、問2とも嘘。ダメ。
∴AはXかYが持っていることになります。
・Kの行方について
-1 Wが持っていた場合…問1、問2は本当。
-2 Xの場合…問1は本当だが、問2は嘘。
-3 Yの場合…問1、問2とも嘘。ダメ。
-4 Zの場合…問1、問2とも本当。
∴KはW,X,Zが持っていることになります。
そこで、組み合わせとしては
(1) X=Aで
-1 W=K(X,Y,Zが嘘)
-2 Z=K(W,X,Yが嘘)
(2) Y=Aで
-1 W=K(Zが嘘)
-2 X=K(W,X,Zが嘘)
-3 X=K(Wが嘘)
が考えられます。
この組み合わせを書き下すと、(W,X,Y,Z)【嘘をついた人】の順に、
@(K,A,?,?)【X,Y,Z】, A(?,A,?,K)【W,X,Y】, B(K,?,A,?)【Z】,
C(?,K,A,?)【W,X,Z】, D(?,?,A,K)【W】
それぞれ?にはQ,Jのどちらかが入ります。
この10通りのうち、どれかが答えです。
U 問3の意味
問3の意味はどういうことでしょうか。問3にYesと答える状況を考えると、
一つ言えることがあります。それは、「実際にQを持たない人には、この段階
(=問2の段階)でQの行方は分からない」ということです。
上記組み合わせを見てみると、4人とも、この段階では@-Dのどれが今の状況なのか、
手の内を見比べても判断する材料がありません(任意の一枚のカードでは、各人とも
状況を一意に絞れません)。つまり、問3をYesと答えた人は、少なくとも(この言葉の
意味は後述します)「自分はQを持っている」と言っているのです。
もう一点、重要なことがあります。Tの過程で明らかになっていますが
「「A」はXかYが持っている」ことを全員が知っている(知り得る)
ことです。つまりXは、自分がA以外のカードを持っていた時、YがAを持っていることが
自動的に分かるのです。YがA以外のカードを持っていた時も同じです。こういった関係は、
他のカードにはありません。
以上の観点でもう一度上記枠内と問3の、「ZのYes」を検討しましょう。
これは
(1)ZはQを持っている(ZのYesは本当)…@BCに対応
(2)ZはQを持っていない(ZのYesは嘘)…ADに対応
の2通りが考えられます。
しかし、(1)の時、Zには「他のもう1枚のカード」がつかめるでしょうか?
@BCを見ると、J,K,Aとも持ち主がバラバラであり、Zに判断はできません。
ここでZは2回嘘をついたことになりますから(1)の選択はあり得ないことになります。
(上で"少なくとも"と言ったのはこのためです)
(2)の場合、取りうる可能性はAとDです。この場合Zは嘘をついていますが、
2回目ではないので問題ありません。
個別に考えると、
A…Yはもう嘘がつけないので、Y=Qとなります。この時YにはX=Aが分かってい
るはずです。
D…Yは嘘をついたことになりますが、これが1回目であり問題ありません。
ゆえに、取りうる可能性は以下のように絞られました。
A(J,A,Q,K) , D-1(J,Q,A,K), D-2(Q,J,A,K)
V 「分かった人がたった一人」の意味
上記枠内の3通りの可能性を、番号を振りなおしてもう一度書くと
(a)(J,A,Q,K) , (b)(J,Q,A,K), (c)(Q,J,A,K)
ここで各自が、自分の手を見て考えることを想像してみましょう。
(1) W
-1 自分の手がJの時、(a)(b)で絞れません。
-2 自分の手がQの時、(c)に絞れます。この時
→X(=J)も(c)に絞れ、WとXが分かることになるのでダメ。
(2) X
-1 自分の手がAの時、(a)に絞れます。この時
→Y(=Q)も(a)に絞れ、ダメ。
-2 自分の手がQの時、(b)に絞れます。この時
→W(=J)は(a)(b)の可能性があり、絞れません。
→Y(=A)は(b)(c)の可能性があり、絞れません。
→Z(=K)も(b)(c)の可能性があり、絞れません。
-3 自分の手がJの時、(c)に絞れます。この時、
→W(=Q)も(c)に絞れ、ダメ。
(3) Y
-1 自分の手がQの時、(a)に絞れます。この時、
→X(=A)も(a)に絞れ、ダメ。
-2 自分の手がAの時、(b)(c)で絞れません。
(4) Z
-1 自分の手がKの時、(a)(b)(c)で絞れず、ダメ。
以上より、1人だけが判明し、他の3人が判断できないケースは(2)-2のみです。
即ち、これが答えです。
【解答】
配られたカードは順に(J,Q,A,K)、手を挙げたのはX。
余談ですが、この時各自1回ずつ、嘘をついていることになります。
W=問2、X=問3(問2の時点でYがAを持っていることがわかっていたはず)、
Y=問3、Z=問3