A95

足掛け16年、ようやく解けたわたしなりの解答です。





まず、4人にどんなカードが配られたか考えてみましょう。

 T 問2までの考察

・Aの行方について
 -1 Wが持っていた場合…問1、問2とも嘘となるのでダメ。
 -2 Xの場合…問1は嘘だが、問2は本当。
 -3 Yの場合…問1、問2とも本当。
 -4 Zの場合…問1、問2とも嘘。ダメ。

  ∴AはXかYが持っていることになります。

・Kの行方について
 -1 Wが持っていた場合…問1、問2は本当。
 -2 Xの場合…問1は本当だが、問2は嘘。
 -3 Yの場合…問1、問2とも嘘。ダメ。
 -4 Zの場合…問1、問2とも本当。

  ∴KはW,X,Zが持っていることになります。

そこで、組み合わせとしては
(1) X=Aで
 -1 W=K(X,Y,Zが嘘)
 -2 Z=K(W,X,Yが嘘)

(2) Y=Aで
 -1 W=K(Zが嘘)
 -2 X=K(W,X,Zが嘘)
 -3 X=K(Wが嘘)

が考えられます。


この組み合わせを書き下すと、(W,X,Y,Z)【嘘をついた人】の順に、

@(K,A,?,?)【X,Y,Z】, A(?,A,?,K)【W,X,Y】, B(K,?,A,?)【Z】,
C(?,K,A,?)【W,X,Z】, D(?,?,A,K)【W】

それぞれ?にはQ,Jのどちらかが入ります。
この10通りのうち、どれかが答えです。


 U 問3の意味

 問3の意味はどういうことでしょうか。問3にYesと答える状況を考えると、
一つ言えることがあります。それは、「実際にQを持たない人には、この段階
(=問2の段階)でQの行方は分からない
」ということです。

 上記組み合わせを見てみると、4人とも、この段階では@-Dのどれが今の状況なのか、
手の内を見比べても判断する材料がありません(任意の一枚のカードでは、各人とも
状況を一意に絞れません)。つまり、問3をYesと答えた人は、少なくとも(この言葉の
意味は後述します)「自分はQを持っている」と言っているのです。

 もう一点、重要なことがあります。Tの過程で明らかになっていますが

 「「A」はXかYが持っている」ことを全員が知っている(知り得る)

ことです。つまりXは、自分がA以外のカードを持っていた時、YがAを持っていることが
自動的に分かるのです。YがA以外のカードを持っていた時も同じです。こういった関係は、
他のカードにはありません。

 以上の観点でもう一度上記枠内と問3の、「ZのYes」を検討しましょう。
 これは
  (1)ZはQを持っている(ZのYesは本当)…@BCに対応
  (2)ZはQを持っていない(ZのYesは嘘)…ADに対応
 の2通りが考えられます。

 しかし、(1)の時、Zには「他のもう1枚のカード」がつかめるでしょうか?
@BCを見ると、J,K,Aとも持ち主がバラバラであり、Zに判断はできません。
ここでZは2回嘘をついたことになりますから(1)の選択はあり得ないことになります。
(上で"少なくとも"と言ったのはこのためです)

 (2)の場合、取りうる可能性はAとDです。この場合Zは嘘をついていますが、
2回目ではないので問題ありません。

 個別に考えると、
  A…Yはもう嘘がつけないので、Y=Qとなります。この時YにはX=Aが分かってい
    るはずです。
  D…Yは嘘をついたことになりますが、これが1回目であり問題ありません。

 ゆえに、取りうる可能性は以下のように絞られました。

A(J,A,Q,K) , D-1(J,Q,A,K), D-2(Q,J,A,K)


 V 「分かった人がたった一人」の意味

 上記枠内の3通りの可能性を、番号を振りなおしてもう一度書くと
 (a)(J,A,Q,K) , (b)(J,Q,A,K), (c)(Q,J,A,K)

 ここで各自が、自分の手を見て考えることを想像してみましょう。

(1) W
 -1 自分の手がJの時、(a)(b)で絞れません。
 -2 自分の手がQの時、(c)に絞れます。この時
  →X(=J)も(c)に絞れ、WとXが分かることになるのでダメ。

(2) X
 -1 自分の手がAの時、(a)に絞れます。この時
  →Y(=Q)も(a)に絞れ、ダメ。
 -2 自分の手がQの時、(b)に絞れます。この時
  →W(=J)は(a)(b)の可能性があり、絞れません。
  →Y(=A)は(b)(c)の可能性があり、絞れません。
  →Z(=K)も(b)(c)の可能性があり、絞れません。
 -3 自分の手がJの時、(c)に絞れます。この時、
  →W(=Q)も(c)に絞れ、ダメ。

(3) Y
 -1 自分の手がQの時、(a)に絞れます。この時、
  →X(=A)も(a)に絞れ、ダメ。
 -2 自分の手がAの時、(b)(c)で絞れません。

(4) Z
 -1 自分の手がKの時、(a)(b)(c)で絞れず、ダメ。


 以上より、1人だけが判明し、他の3人が判断できないケースは(2)-2のみです。
 即ち、これが答えです。

 【解答】
  配られたカードは順に(J,Q,A,K)、手を挙げたのはX。


余談ですが、この時各自1回ずつ、嘘をついていることになります。
W=問2、X=問3(問2の時点でYがAを持っていることがわかっていたはず)、
Y=問3、Z=問3


TOP


Updated;September 13th,2002